これが驚異の《民間伝承》健康秘術だ

徳川忍者集団が食した「黒い物体」は血管の掃除屋だった血圧・血糖値を正常化

現代医学が進歩続けても、人類が古来より実践してきた健康法には、それを凌駕するような知恵が存在する。例えば、多くの中高年が悩んでいる「高血圧」と「血管の病気」。それを回避するため忍者が重用した「黒いモノ」とは?

皇帝も愛用した若返りの妙薬

「かの将軍・徳川家康が『健康オタク』だったことは、よく知られています。みずから漢方を調合し、ビタミンやカルシウムたっぷりの麦飯と豆味噌を常食としていたといいますから。

だからこそ、織田信長や豊臣秀吉より長生きして『最後の勝利者』になれたのです。実はその家康を密かに警護し、あらゆる敵の襲撃から守った忍者集団がいます。
24時間、常に緊張下に置かれ、ゆっくりと食事もままならない彼らが体力維持のために携帯し、口に入れていたのは『究極の滋養食』でした」

歴史研究家がこう明かすように、忍者たちは殿様の命を脅かす者がいないかと徹底監視する隠密の存在。

いつ訪れるとも知れぬ「その時」に備えて体力を温存し、しかも快適で自由な暮らしや食生活などままならない。90年代のサラリーマンではないが、まさしく「24時間戦えますか?」の、あのCMを地でいく「労働環境」にあったと言ってもいい。

そして先の歴史研究家によれば「究極の滋養食」の正体は「黒い物体」だったといい、「例えば中国では1500年以上前から、黒米をはじめとした『黒い食材』を複数ブレンドしたものを食し、健康と若返りを図っていた。不老長寿の妙薬とも言われ、皇帝たちも愛用していました。徳川忍者集団も、これと同じようなものを食べていたのです」

古代食研究家の猪俣恵喜氏があとを引き取って、謎の忍者食「黒い物体」の中身を解説する。

「まずは『黒大豆』。血液を浄化し血管を元気にするだけでなく、余分な水分を取り除いたり、肝臓や腎臓を強化する働きもあります。続いて老化防止食として知られている『黒胡麻』。胃腸を整え、脳の健康も守ってくれます。3つ目の『黒松の実』は肺に活力を与え、咳やタンを止めるほか、便秘改善効果もある。4つ目は『黒加倫(カシス)』で、疲労回復と視力改善、風邪予防に効果的とされます。これに『黒米』を加えた5つの野生種を『黒五』と名付け、その生命力にあやかっていたのです」

忍者たちはこれらをすりつぶしたうえで固め、丸薬状にしたものを食していたようなのだ。

猪俣氏が続ける。

「これは実にうまく構成されています。例えば栄養的に、黒大豆は植物なのに、肉や魚と同じくリジン(アミノ酸の一種)が多く含まれる一方、必須アミノ酸のメチオニンとシスチンは少ない。逆に黒米はメチオニンとシスチンが多く、リジンはわずか。足りない部分を補完し合う絶妙な関係です」

農水省が認めた「野生パワー」

中でもとりわけ強力なのが、稲の原種であり2000年以上前から食されている黒米だといい、「品種改良される前の古代食だからいいのです。野生の植物のパワーが全体にみなぎっています」(前出・猪俣氏K)

黒米のアントシアニンと呼ばれる色素は赤ワインなどに含まれるポリフェノールの一種で、多量に含まれた食材は色が黒くなる。これが「若返りのもと」だというのだ。

この「黒五」の成分と効用に早くから着目し、研究を進めてきた旭川医科学大のレポートによると、《アントシアニンには強い抗酸化作用があり、すなわち黒米には精製した白米の約10倍、玄米の約5倍の抗酸化効果がある》

「抗酸化効果」とは、ストレスや紫外線などで過剰に発生してしまった老化を進める「活性酸素」の発生を抑える力のこと。白米はもとより、玄米にもこの野生パワーを持ったアントシアニンは含まれていない。

まだ人間が手を加える前の荒々しさが老化を抑えるとされ、農林水産省も「黒米」には血管の老化を防ぐ効果がある」と認めている。要するに、動脈硬化や高血圧の防止、改善に一役買うというわけだ。

先の旭川医科大学の研究チームが「黒五」を含む飼料を、40匹のラットに30日間にわたって与える実験を試みたところ、摂取したラットは摂取しないラットと比較して、過酸化脂肪値が低下した。「過酸化脂肪値とは、中性脂肪やコレステロールなどの脂質が活性酸素によって酸化したものを指します。これはガンや動脈硬化を引き起こす原因になります」(医療ジャーナリスト)

さらに同医科大学の別のラット実験で「黒五」を含む水溶液を一定期間与えたところ、血圧を10%抑制、血糖値も降下する結果となった。医療ジャーナリストが続けて解説する。

「つまり、アントシアニンなどを含む黒い食材、『黒五』の成分は『血管の掃除屋』と言うべきものであり、血圧を最適値に矯正する働きがある。と同時に、糖尿病予防にも役立つものだということです。ちなみに黒米は、玄米に比べても食後の血糖値の上昇が緩やかでインスリンを出す力にも負担がかからず、結果、糖尿病にもなりにくくなる。さらには呼吸速度がゆっくりであるため空腹感も感じにくく、ダイエットにもいいと言われます」

酸素や栄養分を全身に運び二酸化炭素や老廃物を回収する血流が滞れば、たちまち体にはトラブルが発生する。ただでさえ現代日本人はストレスがたまる人間関係、洋風化、肉食化する食生活などにより便通など新陳代謝がスムーズにいかず、体内、ことに血管に過剰な有害物質が残るようになってしまった。汚れた血管は万病のもとなのだ。家康を守る忍者たちも、すでにそのことを知っていたのか。

NASAの技術を利用して

だが、「黒五」のような黒い食材の有用性は、現代日本では十分認知されているとは言えない。一つには、イメージとして「黒」という色が健康と結び付きにくい面もあろう。

事実、黒米が玄米や白米に取って代わられ、今ではごく一部の地域で、わずかに生産されるだけになってしまった。前出・猪俣氏が嘆息する。

「品種改良によって収穫量を増し、たくさんの人たちの食料を生み出さなくてはいけなかったからです。野生種の黒米だけでは、増え続ける人口は賄いきれない。肥料や農薬を使ってでも、収穫量が多くなる栽培種のお米が不可欠になったのです」
そのあげく、人類は大量の食品添加物や遺伝子組み換え食品を生み出した。結果的に、それがさらに血管にたまる消化吸収できない「ゴミ」の増加を生み、血流を滞らせている。と猪俣氏は力説し、次のように指摘するのだ。

「結局、全てはコスト重視、効率化重視なのです。安全を考える前に、どうすればよりお金をかけずに、腐りにくいものや甘みの強いものなどを大量に作れるか、企業は競い合って、ハイテク食品を生み出してきました。最近になってようやくその反省から、黒米のような『時代遅れ』だった食材が見直されつつあります」

「黒五」の各食材はスーパーマーケットやオーガニック系自然食品店、乾物店などで手に入るが、「黒加倫(カシス)は探すのがちょっと大変かもしれません。ですから家庭で用意する場合は、5つ全てが揃わなくても大きな問題はない。例えばその1つを乾燥ワカメや焼きのり、ヒジキなどの黒っぽいもので代用すれば『黒五』と同じではありませんが、近い食材になります」(食品ジャーナリスト)

「黒五」はもちろん、そのまま調理して食べてもいいが、ミキサーに入れて粉末にしたものを混ぜ合わせ、ヨーグルト、サラダ、コーヒー、煮物、味噌汁などに入れて摂取することも出来る。

一方で、さまざまな食品関連企業が「黒い食材」を粉末化し、現代人により吸収しやすい方法はないかと試行錯誤してきたという。先の食品ジャーナリストが語る。
「例えば、食材の『ペプチド化』です。ペプチドとは、たんぱく質がアミノ酸に分解されるちょうど手前の状態。つまり吸収するギリギリのところまで分子を小さくして、しかも食材がもともと持っている野生のパワーは壊さない。アメリカのNASAでは、宇宙空間で宇宙飛行士の排泄物を資源化するため、超微細膜で濾過する方法を取り入れた。

こうした技術を利用することで、黒米や黒大豆などの穀物をまるごと液状化して、消化に負担のかからないペプチドに変換することも出来ます。つまり、水溶性にしてお茶のように飲んだり、固めてパンやクッキーの素材にしたり、幅広く利用出来るようになった。

その結果、実際に商品化されたものが千年前の食品舎の「くろご」です。

血管を掃除して血圧を整え、血糖値を正常化させる「黒い秘密兵器」そのパワーで血管をリフレッシュ、そして徳川忍者のごとき活力と生命力を享受したいものである。

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